辺境騎士団のお料理係!~捨てられ幼女ですが、過保護な家族に拾われて美味しいごはんを作ります~
 先ほど頑張ってバターを練った時に思ったのだが、やはりエルの力でバターを練るのは無理だ。今回はアルドのために頑張ったけれど、力仕事は料理当番に任せておきたい。

 アルドはたしか、今は見回りの時間だったはず。門のところで、戻ってくるのを待とう。
 ラースとハロンとロドリゴの部屋に、それぞれ紙にくるんだクッキーを届ける。三人ともいなかったので、机の上においておいた。

 ジェナとベティを引き連れ、門のところで待っていたら、見回りに行っていた者達が戻ってきた。彼らは、今日の業務は終了。あとは夕食の時間まで自由時間だ。

「アルド、待ってた!」

 エルがぶんぶんと手を振ったら、ジェナとベティもぐるぐる飛び回って合図する。アルドはこちらにやってきた。

「お嬢さん、どうしました?」
「ふふ、アルドにだけ。お味見」

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