辺境騎士団のお料理係!~捨てられ幼女ですが、過保護な家族に拾われて美味しいごはんを作ります~
「ほら、うち、女の子がいないでしょう。でも、あちらで仕立てるのでは間に合わなくてね。お友達にお願いしたら、皆、快く譲ってくれたわ」

 次から次へとテーブルの上に引っ張り出されていくドレス。見た目は可愛いし、ロザリアの友人達の気持ちも嬉しいけれど、ここではそんなフリル満載のドレスを着るわけにはいかない。

「ロザリア様、エルには着れないよ?」
「いいえ、着てほしいの。あなたは賢いから、きちんと話をするわ」

 とりあえず持ってきたものは全部出し終えたのか、ロザリアは真面目な顔になってエルに向き直った。

「ロドリゴと私の本当の娘にならない? 正式に手続きをして。そりゃ、あんな兄が三人なのは嫌かもしれないけれど……」

 あんな兄が三人って三人ともロドリゴとロザリアの間に生まれた息子のはずなのだが、そんな表現でいいのだろうか。

 エルが首をかしげていたら、ロザリアは言葉を重ねてきた。

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