辺境騎士団のお料理係!~捨てられ幼女ですが、過保護な家族に拾われて美味しいごはんを作ります~
「かしこまりました」

 ジャンに騎士団長の守りを任せ、王都からロザリアを護衛してきた騎士達を守りに残すという。となると、辺境伯一家の守りがいなくなるのだが。

「ロドリゴ様、護衛いらない?」
「下手なやつらを連れていってもな。メルリノの結界魔術があれば不意打ちは避けられる」

 ロドリゴの袖を引っ張ってたずねたら、彼はにやりと笑った。

 普通なら護衛を連れて行くけれど、メルリノの結界魔術を上手に活用しながら迅速に移動すると護衛はなくても問題ないらしい。

「エルもしばらく馬で頼むな?」
「乗ったことないけど、頑張る、です」

 むっと右腕を折り曲げて力こぶを見せる。エルのぷよぷよした腕には、力こぶなんて存在しないのだが。

「力こぶ、できてないぞ!」
「気持ちの問題だもん!」

 ラースが笑い、エルは本気で反論する。頑張るという意思表示なのだから、そこで笑わなくてもいい。

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