辺境騎士団のお料理係!~捨てられ幼女ですが、過保護な家族に拾われて美味しいごはんを作ります~
「精霊具師としての力のことだろ。わかっていれば、エルを手放さなかったんだろうがな」

 エルが精霊具師としての力を持っていることが知られたら大変だ。エルを閉じ込め、延々と武器を作らせ続けるかもしれない。

 ふとテーブルを見たら、そこに場違いなものが転がっていた。フライパンと包丁である。

「お前達も、エルを守りたいだろ? なら、協力しろ」

 どうせロドリゴの言葉は通じないのだろうと思いながらも、そう声をかけてみる。すると、ぷるぷると震えた精霊具は、開いていた窓から飛び出していった。

「あいつら、どこに行ったんだ?」

 思わず窓に駆け寄り、精霊具達の行方を追う。ロザリアがエルを連れて行った部屋の窓から中に飛び込むのを見て胸を撫でおろした。エルの護衛のつもりなのだろう。
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