辺境騎士団のお料理係!~捨てられ幼女ですが、過保護な家族に拾われて美味しいごはんを作ります~
エルにとっては、辺境伯一家が家族。辺境伯領がエルの家なのだ。

「おーにくーおーにーくー!」

 樽の上からぴょんと飛び降り、庭に向かう。

 屋敷を守る騎士達も、庭に集まっていた。手際よく火をおこす様は、もう皆慣れたもの。

 あっという間に、網の上に食材が並べられる。

 魔物肉に、野菜。厚く切られたベーコンもじゅうじゅうといい香りを漂わせ始めた。あとは、乾杯の合図があればいつでも始められる。

「エルがうちの娘になったぞ―! 祝え! めでたい!」

 さっそくロドリゴは、酒のグラスを掲げている。まだバーベキューは始まっていないというのに、すでに酔っているらしい。

「エル様、おめでとうございます」

 口々に騎士達は、エルが辺境伯家の娘になったことを喜んでくれる。

(こういうのっていいなぁ……)

< 354 / 364 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop