辺境騎士団のお料理係!~捨てられ幼女ですが、過保護な家族に拾われて美味しいごはんを作ります~
 辺境伯家で規則正しい生活をし、三人の兄と騎士団員達に可愛がられるのは前と変わらないのだ。

 そして、今日も新たな一日が始まる。

「アルド、婚約者さんとはどう?」

 と、アルドに声をかける。戻ってきてからのアルドはにやにやとすることが増えた。王都で恋人のエミーさんと話ができたのだろう。

「再来月、ロザリア様と一緒に来てくれるらしいっす。こっちで新居とか整えたら、来年、王都で結婚式で 」

 と、アルドはでれでれだ。やる気が出たのだからよしとしよう。

 ジャンはと言えば、今日の彼は休日だ。

 休日とはいえ、いつ出ていくことになるかわからないから、最低限の装備は側に置いていた彼は、静かに本を読んでいる。

 エルを見ると、彼はテーブルに置かれていた瓶を取り上げて振って見せた。中には、エルが作り方を教えたナッツのキャラメリゼ。気に入ってくれたのなら何よりだ。

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