辺境騎士団のお料理係！～捨てられ幼女ですが、過保護な家族に拾われて美味しいごはんを作ります～

　メルリノの説明は非常にわかりやすかった。エルにとって大事なのは、どんな攻撃をしてくる魔物かというところではなく、どんな味がする魔物かというところだ。

　豚肉が届いたら、何に使おう。トンカツもいいし、煮豚もいい。豆と一緒にトマトで煮込んでもいいし……今夜は、王都で買ってきたひよこ豆と一緒に煮込んでみようか。

「待ってろ！」
「おいしいの、狩ってくるから待っていてくださいね」
「残念、俺は留守番。エル、厨房で手伝うよ！」

　ラースとメルリノが飛び出していき、ハロンとエルは厨房へ。これがいつもの辺境伯家。

「おお、ハロン、エル。ラースとメルリノはどうした」
「ロドリゴ様……じゃなかった、お父様」

　母となったロザリアは王都にいるが、父となったロドリゴは辺境伯家にいる。これから書類仕事だという彼は、ひょいとエルを抱え上げた。

「んふー、高いね」
「だろ？」