辺境騎士団のお料理係!~捨てられ幼女ですが、過保護な家族に拾われて美味しいごはんを作ります~
最初に会った時には、エルもまだ混乱していた。辺境伯が恐ろしく感じてわあわあ泣いてしまったけれど、今ではそれが間違いだったとわかる。
辺境伯は、すごくエルに気をつかっている。
「あー、それでだな。エルが嫌じゃなければ、うちの子になるか? 男ばっかり三人いてやかましいが、食い物には不自由はさせん」
「ごはん」
「そうだな、ごはんだ。エルは、いい子だな」
辺境伯は、エルが食事に興味を示したことに目を細めたけれど、実のところ、辺境伯家の料理はまずい。まずいと言うか、薄味すぎる。
エルに運ばれてきたパン粥については、病人食だからきっと味が薄いのだろうと思っていた。だが、それ以降、スープやシチュー、卵料理などなど、少しずつ食べられるものは増えていったけれど、どれも味がしないのだ。
辺境伯は、すごくエルに気をつかっている。
「あー、それでだな。エルが嫌じゃなければ、うちの子になるか? 男ばっかり三人いてやかましいが、食い物には不自由はさせん」
「ごはん」
「そうだな、ごはんだ。エルは、いい子だな」
辺境伯は、エルが食事に興味を示したことに目を細めたけれど、実のところ、辺境伯家の料理はまずい。まずいと言うか、薄味すぎる。
エルに運ばれてきたパン粥については、病人食だからきっと味が薄いのだろうと思っていた。だが、それ以降、スープやシチュー、卵料理などなど、少しずつ食べられるものは増えていったけれど、どれも味がしないのだ。