辺境騎士団のお料理係!~捨てられ幼女ですが、過保護な家族に拾われて美味しいごはんを作ります~
 最初は怖いと思ったけれど、こうしてみると目鼻立ちは整っている。若い頃は美男子と呼ばれていたかもしれない。

「えりゅ、へんきょーはく、しゃまの子になりゅ」
「もし、もうちょっとお前が大きくなって、家の子になりたいと思ったら、正式に養女になってもいいしな」

 正式に養女って、拾ってきた子を養女にしていいのだろうか。けれど、それは今エルが考えるべきところではないだろう。

「あい。へんきょーはく、しゃま、ありがと!」
「あー、長いな。俺はロドリゴ。そう呼んでもいいぞ」
「ろどりごしゃま」

 ああ、やっぱり舌が回らない。エルは眉間に皺(しわ)を寄せたけれど、ロドリゴはにこにことして、エルの頭を撫でた。やっぱり力の加減はわからないらしく、ぐりんぐりんと撫で回されて、エルの頭もぐらぐらした。

 でも、それが嫌ではなかった。
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