辺境騎士団のお料理係!~捨てられ幼女ですが、過保護な家族に拾われて美味しいごはんを作ります~
だが、その時異変が起こった。男達の腰に差さっていた短剣が、いきなり鞘から抜けたのだ。誰一人として触れていないのに。
そしてその短剣が男達に向かって切りかかる。慌てた男達は荷車に飛び乗った。
「行くぞ!」
逃げた男達を短剣も追おう とはしなかった。
子供の手足を戒めていた縄がしゅるりと勝手に解けて地面に落ちる。
(……どうしよう)
子供は途方にくれて周囲を見回した。
先ほど、男達は魔物が出る森だと言っていた。ここにいるのが危険だということはわかるけれど、でも、どこに行けばいい?
家に帰ることなんてできない――居場所は、どこにもないのだ。
それでも、何かに突き動かされるようにふらりと立ち上がる。靴も履いていない小さな足で、地面を踏みしめると、彼女はゆっくりと歩き始めた。
自分がどこに向かおうとしているのかもまったく理解しないまま。
そしてその短剣が男達に向かって切りかかる。慌てた男達は荷車に飛び乗った。
「行くぞ!」
逃げた男達を短剣も追おう とはしなかった。
子供の手足を戒めていた縄がしゅるりと勝手に解けて地面に落ちる。
(……どうしよう)
子供は途方にくれて周囲を見回した。
先ほど、男達は魔物が出る森だと言っていた。ここにいるのが危険だということはわかるけれど、でも、どこに行けばいい?
家に帰ることなんてできない――居場所は、どこにもないのだ。
それでも、何かに突き動かされるようにふらりと立ち上がる。靴も履いていない小さな足で、地面を踏みしめると、彼女はゆっくりと歩き始めた。
自分がどこに向かおうとしているのかもまったく理解しないまま。