辺境騎士団のお料理係!~捨てられ幼女ですが、過保護な家族に拾われて美味しいごはんを作ります~
こちらの言葉が通じているみたいだ。怖くないのは、精霊だからか。
「メルにぃに、精霊さん?」
「時々ね、精霊がこうやって物体に宿ることがあるそうですよ……ものすごく珍しいとも聞きますが」
もしかして――エルが実家にいた頃、家具が動いたり、室内に置かれていたものが動き回ったりしていたのは、精霊のせいだったのだろうか。
精霊がこんな形で物体に宿るなんてエルは知らなかったし、知っていたところで生家の人達に上手に伝えることができたかどうか。
なにしろ、最初にポルターガイスト現象が発現したのは、エルがまだ三歳の時だった。
「エル」
「はい」
「包丁の精霊さんに名前をつけてあげてください。きっと、力になってくれるから」
「なまえ……あなたの、お名前」
包丁は、柄の部分をゆらゆらと揺らしながら待っている。たしかに、エルが名前をつけるのを待っているみたいだ。
「メルにぃに、精霊さん?」
「時々ね、精霊がこうやって物体に宿ることがあるそうですよ……ものすごく珍しいとも聞きますが」
もしかして――エルが実家にいた頃、家具が動いたり、室内に置かれていたものが動き回ったりしていたのは、精霊のせいだったのだろうか。
精霊がこんな形で物体に宿るなんてエルは知らなかったし、知っていたところで生家の人達に上手に伝えることができたかどうか。
なにしろ、最初にポルターガイスト現象が発現したのは、エルがまだ三歳の時だった。
「エル」
「はい」
「包丁の精霊さんに名前をつけてあげてください。きっと、力になってくれるから」
「なまえ……あなたの、お名前」
包丁は、柄の部分をゆらゆらと揺らしながら待っている。たしかに、エルが名前をつけるのを待っているみたいだ。