辺境騎士団のお料理係!~捨てられ幼女ですが、過保護な家族に拾われて美味しいごはんを作ります~
(……変なの)

 実家で暮らしていた頃、精霊が側にいるのだと知っていたら、あんな扱いは受けないですんだだろうか。何を言ったところで、今さらではあるけれど。

「エル、作るんだろ?」
「作りましゅ」

 あー、と頭に手を当てる。この赤ちゃんみたいなしゃべり方、いつまで続くんだろう。焦ってもしかたないのはわかるけれど、いつまでもこのしゃべり方を続けたくはない。

 気を取り直し、ジェナに向き直る。

「ジェナ、ふぇざーどらんを焼く。お野菜も焼く。できる?」

 できる、とフライパンが揺れる。

 そして、ジェナはひょいと調理台に飛び乗った。料理に使うのは、魔道コンロだ。これは、魔物から取れる魔石を使ったコンロで、前世でのガスコンロのような使い方ができる。

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