辺境騎士団のお料理係!~捨てられ幼女ですが、過保護な家族に拾われて美味しいごはんを作ります~
第三章 辺境伯家は何かと騒がしいようで
エルの朝は、早くから始まる。

 辺境伯家では、夜遅くまで起きていることは推奨されていない。例外は、夜間警備の者だけ。

 それ以外の人達は早寝して体力を温存することが求められているのだ。

 特に子供は早寝早起きして、健やかな身体を作ることが大事。そんなわけで、辺境伯家の三人兄弟や、エル、見習いの騎士などは、早めにベッドに追いやられるのが毎日のこと。

 早く寝ればそれだけ早く目が覚めるというわけで、夜が明けた頃にはエルの目はぱっちりである。

「おはよー、エル!」
「おはよう、ラスにぃに!」

 真っ先にエルの部屋に来るのは、ラースかハロンだ。手をつないで厨房に行く順番は決めたのだが、ラースとハロンは毎朝ここに立ち寄る。

 メルリノは三兄弟の中では朝に弱いらしく、厨房に立ち寄る日以外は、早朝訓練ぎりぎりの時間に訓練所に顔を出すのが毎朝のこと。

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