どうやら私、推しに推されてるみたいです…。
「…な、なんでしょう?」
「いや、委員長にテスト勉強で聞きたいことあってさ。今からちょっと時間あったりする?」
え…?テスト勉強?
急な凪音くんからの声かけについ身構えてしまったが、あまりにも予想外な提案に私はポカンとした表情で彼を見つめる。
「数学なんだけど、いいかな?」
「う、うん。私でわかるところなら…」
そんな私に向かって、凪音くんは「ありがとう。助かるわ」と嬉しそうに微笑んだ。
なっ…!か、可愛い…。
はっ!滅多にない機会だから目に焼き付けておかないと!!
あどけない笑顔を浮かべる推しに私は、思わず心のシャッターを連打する。
すると。
「な、凪音!俺達先に帰るな。勉強の邪魔になりそうだし。俺も家に帰ってテスト勉強するわ。な、皆?」
「そうだな…!勉強の邪魔するのよくねーし」
なぜか、春木くん達はそそくさと荷物をまとめ始め。
「「「じゃ、凪音、委員長。また明日…!」」」
それだけ言い残し、足早に教室を出て行ってしまった。