どうやら私、推しに推されてるみたいです…。
実はまだ、胡桃ちゃんにも話したことがなかったけど、私が自分に自信がないのは小学生の頃にあった"ある出来事"のせい--。
小学校くらいまでの私は、今と違ってわりと活発な少女だった。
家の中で遊ぶよりも、外で男の子とボール遊びをしたりする方が好きだったし。
女の子の友達よりは男の子の友達と遊ぶことが多かったように思う。
その当時、私には好きな男の子がいた。
『芽結ー!今日もサッカーしようぜ』
『うん!いいよ』
その好きな男の子は、私の家の近所に住んでいて。
まぁ、自分で言うのもなんだけどそれなりに仲は良かったし、相手も私のことを好きでいてくれると思っていた。
そんなある日のこと。
『おい。お前さ〜瀬川のこと好きなんじゃねぇーの?いつも一緒にいるじゃん』
ドキン。
放課後の教室で、クラスメイトの男子たちとそんな会話をしている彼に遭遇してしまったのだ。
きっと、彼なら肯定してくれるに違いないと淡い期待を胸に、つい聞き耳を立ててしまった私。
けど…。
『は?そんなわけないじゃん。芽結は女子っつーか男友達って感じだし。隣のクラスの水原みたいな可愛い子のほうが好きだわ』
その瞬間、サーッと血の気が引くのを感じた。