どうやら私、推しに推されてるみたいです…。
『だよな〜。やっぱり、好きになるなら水原みたいな可愛い子のがいいよな』
『当たり前じゃん。芽結はマジでないって』
『…ッ』
そこまで聞いて、私は居ても立っても居られなくなり、その場を離れてしまう。
その後、どうやって家まで帰ってきたはあんまり覚えていない。
気づけば家まで帰っていて…。
自分の部屋のベッドに横になっていた。
『…さいあく』
近くにあったクッションにギュッと顔を埋め、泣きたくなるのを懸命にこらえる。
だけど、ケラケラと笑うクラスメイトの男子と、当時好きだった彼の声が頭からこびりついて離れない。
あんなに仲良くしてたのに、あの子がそんな風に思ってたなんて知らなかった。
自分ばっかり、ドキドキしてたのバカみたい。
毎日、あの子に会うのが楽しみで、サッカーも一生懸命練習してたのに。
もう、どうでもいいや…。
その日を境に、私はクラスの男の子達と遊ぶのを辞めた。
『芽結…!サッカー行くだろ?』
『あぁ。ゴメン。美彩(みや)ちゃん達と遊ぶ約束あるんだ』
最初は、そんな風に断っていたけれどいつからか好きだった男の子も、他の男子たちも私を遊びに誘わなくなっていき…。
私は周りの子達と同じように、女友達とばかり遊ぶようになったのだった---…。