どうやら私、推しに推されてるみたいです…。
「え…!何で凪音くんがここに…!?」
私は、驚きと焦りから慌てて距離をとろうとした。
けど。
「ちょ、委員長…!まだ階段の途中だから急に動くと危ないって」
慌てたような凪音くんの声とともに、逆にギュッと腕を回され、密着度が高まりカチンと硬直してしまう。
「…ふぅ。とりあえず移動するよ」
今度は素直にコクコクと首を縦に振り、私は凪音くんの指示に従ったのだった。
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「あの、助けてくれてありがとう。ゴメンね。重かったでしょ?」
横を歩く凪音くんに私はそっと声をかける。
「全然そんなことない。むしろ軽すぎるくらいで…。つか、委員長ちゃんと食べてる?細すぎてビビったんだけど」
心配そうに私を見下ろす彼に思わず私は小さく「食べてるよ…」と言い返した。
「そ?ならいいけど」
結局、私が運んでいたダンボールやらゴミ袋は全て凪音くんの手の中で。
私がせめて、ダンボールだけでも持とうと一生懸命粘ったが「ダーメ。またコケたら危ないし」と受け合ってもらえなかったのだ。