どうやら私、推しに推されてるみたいです…。
「嫌じゃなかったからよかったけど…」
「嫌とかないって。むしろ嬉しかったし。そうだ!せっかくだし、俺のこと今後も名前で呼んでよ。その方が委員長と仲良くなれた気がして嬉しい」
えぇ…!?
ハードルが高すぎる彼からの提案に私は開いた口が塞がらない。
なんと返答すればいいか悩んでいると。
「…嫌だった?無理強いはしたくないけど」
そう言って、少し寂しそうな表情を浮かべる彼にチクンと胸がいたんだ。
「違うよ…!嫌とかじゃ全然…!ただ、ちょっと慣れないというか」
裏では堂々と名前と呼んでるのだから、慣れてないわけじゃないけれど、皆の前で名前を呼ぶのはいささか抵抗がある。
「そっか。じゃあ、徐々にでいいから慣れてってよ。あ…でも、そうなると俺も"委員長"って呼ぶのは変だよな。ねぇ、俺も委員長のこと"芽結"って名前で呼んでもいい?」
胡桃ちゃん以外のクラスの皆は、私のことを"瀬川さん"か"委員長"って呼ぶから、学校で名前を呼ばれるごとには慣れていなくて。
しかも、相手が凪音くんなら尚更だ。