どうやら私、推しに推されてるみたいです…。

それもそのはず。

私の見た目は、自分で言うのもなんだがかなり地味。

髪の毛はクシを通しただけの黒髪ストレートボブ。
ちなみに、近所の幼稚園生に"(トイレの)花子さん"と言われたのは若干傷ついたものだ。

制服も指定のジャケットに、リボンをつけ、校則通り着こなしているし。

毎日のコンタクトが面倒なので学校では、基本的には度の強い黒縁眼鏡。
休日、胡桃ちゃんと出かける時はそれなりにオシャレはするけれど…。

つまりは、推しにされるには程遠い見た目であることは自分自身が重々承知しているわけで。

だからこそ、まさか凪音くんの推しが私だなんてなんの冗談なのかと、戸惑いが隠せない。

聞き間違えかと、再度耳を澄ませた時。

「え、凪音って委員長みたいな子がタイプ?」

春木くんがおそるおそる凪音くんに対してそう問いかける声が聞こえてきた。

わかる、わかるよ。春木くん…。
皆が、クラスの人気美少女、三浦さんやクールビューティー立川さんの名前を出している中で、まさかの私、ツッコミづらいよね!?
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