love or die~死亡フラグ回避は恋愛ありえない幼なじみと×××せよ!~
 帰り道の甲斐はしばらく無言で、何か話題を放り込ませない雰囲気もあった。何か怒らせるようなことをしたかな、と思う。
 公園に通りがかったときに、寄ってかね?と言われた。
 公園に寄りたいというのは、多分何か話をしたいってことだ。

 誰もいない公園のブランコに横並びで腰かける。

 甲斐が口火を切った。

「篤紀となら、ああいう話するんだな」

「ああいう話?」

「誰が好きとか、そういうの。オレとは絶対しねーじゃん」

「工藤にも言ったけど。甲斐と恋バナするのって、兄貴とか陵右と恋バナしてるみたいで、なんか微妙だし。だいたい誰が好きとか聞いて楽しい?」

「楽しくはない」

「ほら。それに前に友達紹介したときも、いやがったじゃん。だからそういう話やめた」

「じゃなくて、美玖の好きな奴の話。直接は聞いたことない」

「好きな人って、そんなにいたことない。友達レベルならいるけど。甲斐も好きな人の話はしないじゃん」
 と言ったら甲斐はどこかもの言いたげにしながら、こっちを見るのだ。
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