love or die~死亡フラグ回避は恋愛ありえない幼なじみと×××せよ!~

「聞きたい?」
 甲斐の恋愛を想像するのは難しい。
 昔から一緒にいすぎているから、私のイメージする恋愛というもの自体が甲斐と結びつかないのだ。

 どの子にもソツなく接しているイメージはあるけれど、好きな人を知りたいか知りたくないかと言えば、あまり知りたくはないかもしれない。

「いい、甲斐の恋愛事情って想像できないし。私と付き合わないってわざわざ工藤に言ったとか、そういうのも別に。今さらだし」
 そろそろ付き合いたいんだけど、と気まぐれなことを甲斐が言っていたのを思い出す。

「今さらってなに」
 甲斐が低く言ったので、思わずその顔を見た。その表情がどこか寂しそうに見えるのはなぜだろう。

「甲斐だって好きな人が出来たり、いい感じな子と仲良くしたりしてるでしょ。今さらなんで、私がどうとか」

「ああ、オレは結構チャラいイメージだしって?」
 聞かれていたのか、と思ったら決まりが悪い。視線をそらし自分の膝を見た。

「ごめん。けど、モテるの悪いことじゃないじゃん。恋愛は自由だし」
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