love or die~死亡フラグ回避は恋愛ありえない幼なじみと×××せよ!~

「オレ以上に美玖の身体のこと知ってる奴いないと思うけど。トリッキーな経験してくれたおかげで、あり得ないことまで知っちゃったし」

「いや、それは不本意だけど、こっちも。甲斐ってしれッとカッコつけてるけど、意外に焦らし系で攻めら」

 言いかけたら、咳払いされる。

 そして、
「そろそろ、結婚したいんだけど」
 高校の頃みたいに、言ってくるのだ。

 いつもながら、そろそろって何だよ、と思う。

「前から考えてましたみたいな言い方しても、かっこよくないよ」

「そしたら、オレの条件は揃う」

「甲斐の条件?」

 私が聞くと、甲斐はテーブル上の私の手に自分の手を重ねてくる。

「美玖と結婚したい。子どもレベルの願い事。子どもの頃のオレってかわいいだろ?」

「それが望みだったの?」
 甲斐は頷いた。

「結婚とか言って。それが意外に大変だってこと、子どもの頃のオレは知らないわけ」

 私の望みは、甲斐とずっと一緒にいれますように。
 甲斐の顔を見上げた。
 ずっと一緒にいたから気づかなかったけれど、甲斐は高校の頃よりも落ち着いた雰囲気になっている。

 ああ、私たちは大人になったんだな、と今さら思う。

 ただその瞬間からその先へ続く、「誰かと一緒にすること」を想像してしまった。
 まさか、介護系の行為とかも条件じゃないよね?と危惧してしまう。
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