冷徹御曹司かと思っていたら溺愛御曹司でした〜甘い束縛にとらわれて
「もう、平日は、泊まらずに家に帰るからね」
「砂羽のいない部屋に帰るなんて嫌だ。それに、砂羽を腕に抱いて寝ないと疲れが取れない体になった俺が、疲労で倒れてもいいのか?」
めちゃくちゃな言い分に、呆れる砂羽だったが、一緒にいたいのは砂羽も同じだ。
ただ、抱きつぶされて、朝に慌てて帰り準備する煩わしさからくるだけで、イチャイチャするのは、やぶさかでない。
「私だって一緒にいたいけど…こう、毎日、慌てて準備をする為に帰るのは、大変なの」
「わかった。それなら、いつでも泊まれるように、砂羽の荷物を持ち込めばいい」
「それって一緒に住むってこと?」
「俺としては、今日からでもいいが、砂羽は、まだ、付き合いたてで、同棲まで踏み込めないだろ。だから、半同棲から始めよう。帰りたい時は帰ればいい」
それならと、半同棲を始めることにうなずいたのだった。
霧矢の口車にのせられて、半同棲を始めることになるが、もう、霧矢は、帰すつもりはない。
着実に結婚に向けて秒読み段階の霧矢は、権力を使って翌日に、引越し業者を手配した。
そうとは知らない砂羽。
休みの日の日課のジョギングを霧矢と一緒に楽しく走り、浮かれていた。
「砂羽の荷物を取りに行こう」