冷徹御曹司かと思っていたら溺愛御曹司でした〜甘い束縛にとらわれて
和希の性の対象が男であると知っても、霧矢は、和希を無下にすることはない。和希も霧矢には恋愛対象として見ることはなく、2人の間に友情のようなものが芽生え、つるむようになり、今に至る。
霧矢は、社会人になり、上辺だけの社交性を身につけたが、冷徹で、ドーベルマンのように、敵には容赦なく牙を向く。
いくつもの人間が、霧矢に爪を向け葬られてきた。
女で攻落させようと企てても、利用するだけ利用して本気になった女を捨てる冷徹人間だ。
そんな霧矢が、春先から変わったのだ。
「女神にあった」
そう呟き、毎週明け、女神の素晴らしさを演説してくる霧矢に、ヘキヘキしていた。
どうやら、毎日の会食やらでお酒やハイカロリーの食事と運動不足でぷよぷよに太ってきた霧矢は、ジムに通いながらジョギングも始めたらしく、ジョギングしだした初日に、準備運動不足やらで、足を攣る情けない事態に。
そこへ、駆けつけてきた女性が親身なってくれたらしく、女性が屈んだ時にチラリと見えたふくよかな膨らみに、霧矢の体に欲望がおこったらしい。
言葉に表すのも躊躇われる卑猥な内容に、顔を顰めたものだ。
要約すると、運命を感じたらしい。
その日から、必死になって体を鍛え、今の体型を維持している。
彼女に会う為、休みはジョギングを欠かさない執拗さ。