愛する人と暮らす初めての日
　リーベの可愛さに悶えながら食器を洗い続け、水で流したものを一枚彼女に渡す。

　彼女は食器を割らないように慎重に拭いている。
　一生懸命な姿が可愛くて、また笑みが溢れる。

　まだ拭き終わっていないようなので、他に流し終えたものは水切りかごの中に入れていく。


「流し終わったから、俺も拭くの手伝うよ」


　流し終える方が早かったので、俺も拭くことにする。
　二人でやった方が早く終わるし、時間が余れば彼女と少しゆっくり過ごせるかもしれない。

　そんなことを思いながら拭いていると、リーベがなんだか落ち込んだ様子で食器を拭いていた。


「リーベどうしたの？」

「私が遅いから結局リュカにもやらせちゃって、私じゃ役に立てないなって」

「さっきも言ったけど、俺の役に立とうとか思わなくていいよ。俺はリーベが一緒にいてくれるだけでいいんだから」


　そう言って彼女を抱きしめる。

　俺の言葉だけでは駄目だったらしく、彼女はまだ落ち込んでいるようだ。
　悲しそうに俺のことを見上げてくる。
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