愛する人と暮らす初めての日
「私だってリュカの役に立ちたいの。いつもリュカに助けられてばかりで、何もしてあげられてないから」
そう言う彼女の頬に手を添える。
彼女は何もしなくても俺の傍で笑ってくれているだけでいいのだが、リーベの気持ちは嬉しいのでありがたく受け取ることにする。
「俺は本当にリーベがいてくれるだけでいいと思ってるけど、リーベの気持ちも尊重したい。だからこれからは色々頼もうかな」
「うん。できること少ないけど、私頑張るからなんでも頼んで」
やっと彼女の顔に笑顔が戻った。
そんなリーベを愛しく思いながら、残りの食器も二人で拭いていく。
俺の方が手慣れているため早く拭ける。
だが隣で食器を割らないように慎重に拭いている彼女が可愛くて、そんなリーベを見たくて少しだけスピードを落とす。
全て拭き終わったあと、感謝の意味も込めて彼女の頭を撫でる。
「ありがとう。リーベのおかげで、俺が一人でやるよりも早く終わったよ」
「本当に? 私拭くの遅かったから、リュカ一人の方が早く終わった気がする」
「そんなことない。それにリーベは食器を割らないように慎重に拭いてくれてたんだろ?」
彼女は一瞬浮かない表情をするが、すぐに口元を緩ませ笑顔を浮かべる。
そして俺に抱きついてくる。