愛する人と暮らす初めての日
「リーベ美味しい?」
「うん、すごく美味しい」
「そう、よかった。そうだ、俺のも一口食べてみる?」
「いいの?」
「もちろん」
目をキラキラとさせている彼女に一口大に切り分けたステーキをあーんと口元に近づける。
恥ずかしがるかと思ったがリーベは素直に口を開けるので、彼女にステーキを食べさせる。
またゆっくりと咀嚼して、口元を綻ばせる。
そして飲み込んでから、礼と美味しかったと伝えてくる。
「まだ食べたかったら言って。いくらでもあげるから」
「嬉しいけど、それじゃあリュカが食べる分減っちゃうから大丈夫。ありがとう」
「他のもの頼むから、俺は平気だよ」
彼女が首を横に振るので、自分の食事に戻ることにする。
「ノアム少尉は奥さんとこうやって、いちゃいちゃするんですか?」
俺達のやり取りを微笑ましそうに見ていたキャロルが、同じように微笑ましそうに静かに食事をしていた少尉に尋ねる。