愛する人と暮らす初めての日
「ここまでじゃないが、まあ、それなりには」
「えー、そうなんですね。例えば、どんな感じなんですか? 少尉、奥さんのこととか、結婚生活の話とか全然しないから興味あります」
「俺のことはいいだろう。そうだ、用があったのを思い出した」
少尉はそう言うと、素早く食事を済ませる。
きっと照れ隠しだろうと思いながら、俺も口にステーキを含む。
キャロルは不満気に少尉のことを見ている。
「では、失礼する。休憩を上がったら、また俺の部屋に来てくれ。いなくても勝手に入っていい」
足早に少尉が去っていく。
そんな少尉を見てキャロルは不満そうに呟く。
「本当にあの人、奥さんとのこと話してくれないんだから」
「きっと気恥ずかしいんだろ」
「興味あるのになぁ」
不満そうにしていたキャロルだが、何か思いついたようで表情を明るくする。