愛する人と暮らす初めての日
「リーベこっち向いて」
「……無理」
「だめ、こっち向いて」
恥ずかしがって中々こちらを見てくれない彼女の頬に優しく手を添え、こちらに向かせる。
彼女なりの抵抗なのか、視線は逸らされてしまう。
「そんなに俺のこと見たくない?」
ただ恥ずかしがっているのは分かるが、俺のことを見てほしいのでわざと悲しそうに言うと、慌てたように彼女がこちらを見る。
「やっと見てくれた」
嬉しくてそう溢れる。
俺が嬉しそうにしたからか、彼女は顔を赤くしたままだが、視線を逸らさなくなった。
「さっきはごめんね。俺のキスを待ってるリーベが可愛くて、つい見ちゃってた」
そう伝えると、彼女がまた顔を逸らそうとする。
なので逸らされる前にキスをする。
リーベは先ほどよりも顔を真っ赤にして固まっている。
「ふふ、可愛い」
そう呟き、またキスをする。
今度は察したのか、彼女は目を瞑っていた。
林檎みたいに顔を赤くしながら、俺のキスを受け入れてくれるリーベに愛しさが溢れる。
そして、唇を離す。
彼女が目を開け、俺を見上げてくる。
愛しすぎてリーベを抱きしめる。
「……可愛すぎる」
そう呟き、彼女の首筋に顔を寄せる。
俺の髪が当たってくすぐったいのか、彼女が身じろぐ。
しかしすぐにリーベも抱きしめ返してくれる。