愛する人と暮らす初めての日
「ふふ、嬉しそう」
「うん、すごく嬉しい。ありがとう、リュカ」
「どういたしまして」
彼女が楽しそうに本棚に向かう。
リーベが俺の持ってる本で興味を惹かれるか分からないが、楽しそうに本を選んでいる彼女を見ていると自然と笑みが溢れる。
彼女が一冊の本を取り、ソファに座る。
「何選んだの?」
「これ」
彼女が料理本を見せてくる。
てっきり小説等のストーリーがある本を選ぶかと思ったので少し驚く。
「料理に興味あるの?」
「これ読んだら、少しは料理作れるようになるかなって。そうしたら、リュカに作ってあげたいなって」
「俺のために料理の勉強してくれるの?」
「少しでも役に立ちたいって思ったんだけど、駄目だった?」
「駄目なんてことない。嬉しいよ」
俺のために料理を作りたいと言ってくれたのが嬉しくて抱きしめる。
これでは本が読めないと言う彼女の言葉に従い、座り直してからリーベの腰に手を回す。
この姿勢はいいらしく、彼女が俺に寄りかかって本を読み始める。