愛する人と暮らす初めての日
　料理本を開いてすぐに彼女が俺を見る。


「そう言えば、リュカは好きな料理とかあるの？」

「うーん、肉料理とか好きかな」

「お肉かぁ」


　そう呟き、彼女が肉料理のレシピが書いてあるページを開く。

　俺の好きなものを作ろうとしてくれているのだろうか。
　俺が喜ぶであろうことを彼女から自発的にやろうとしてくれることが嬉しい。

　実際にやってみて失敗したとしても、その気持ちだけで俺はとても嬉しく感じる。


　所々読めない文字や知らない言葉、食材、調理器具があるようで、彼女が度々尋ねてくる。

　俺しかいないのだから当たり前だが、そうやって聞いてくれることが嬉しくて、リーベが分かりやすいように説明していく。

　そうやって過ごしているとあっという間に時間が経ち、もう寝た方がいい時間になる。
　彼女にもう寝ようか、と声をかけ、寝室に向かう。
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