俺様同期の溺愛が誰にも止められない
幸い検査の追加は緊急性のあるものではなかった。
すぐに検査室にも連絡をして何事もなく収まったのだが、私の気持ちは腑に落ちないまま。

「あの・・・この伝言はどなたが残してくれたんですか?」
貼り付けてあったメモを片手に周囲に声をかけると、
「私です。碧先生が不在でしたので伝言を聞いてメモを残しましたし、その後先生にもお伝えしたはずですが?」
一人の女性スタッフが声を上げた。

いや、私は聞いた覚えはない。
もちろん私が忘れたのかもしれないし、彼女の記憶違いかもしれない、でもおそらくは嫌がらせだろう。
私は伝えましたと言い切りうっすらとほほ笑む表情を見ながら、私はそう確信した。
しかし、今ここでそれを言ったところでどうにもならなない。

「そうでしたか、わかりました」
私はそれ以上の追及をやめた。
< 106 / 198 >

この作品をシェア

pagetop