俺様同期の溺愛が誰にも止められない
「どうした、顔色が悪いな」
わざわざ私の元まで来て顔を覗き込む影井を、当然周囲は遠巻きに見ている。
救急外来からうちの病棟に転科してくる患者さんの申し送りに来た影井は、担当医を待ちながら私の元を動きそうにもない。
「大丈夫だから」
お願いあっちに行っての気持ちを込めるけれど、影井には伝わらないようだ。
「碧先生、これまた間違っていましたよ」
そう言って看護師が放ったのは点滴の指示箋。
確かに退院に向けて内服を増やすから点滴は中止にしようと話していた患者だし、そのことに気づいてくれたことは本当にありがたいと思う。
ただ、言い方に少し棘がある。
きっと影井の前だから余計に悪く言いたいのだろうけれど・・・
「ありがとう、変更しておきますね」
こんな事をいちいち気にしていたんでは仕事にならないと、私はいつも通り受け流した。
「大丈夫か、碧?」
みんなが私たちを見ていると承知の上で、なお顔を寄せてくる影井。
その上私を名前で呼ぶから、周囲からはため息まで聞こえてくる。
「お願いだから、止めて」
さすがにいたたまれなくなった私は席を立った。
わざわざ私の元まで来て顔を覗き込む影井を、当然周囲は遠巻きに見ている。
救急外来からうちの病棟に転科してくる患者さんの申し送りに来た影井は、担当医を待ちながら私の元を動きそうにもない。
「大丈夫だから」
お願いあっちに行っての気持ちを込めるけれど、影井には伝わらないようだ。
「碧先生、これまた間違っていましたよ」
そう言って看護師が放ったのは点滴の指示箋。
確かに退院に向けて内服を増やすから点滴は中止にしようと話していた患者だし、そのことに気づいてくれたことは本当にありがたいと思う。
ただ、言い方に少し棘がある。
きっと影井の前だから余計に悪く言いたいのだろうけれど・・・
「ありがとう、変更しておきますね」
こんな事をいちいち気にしていたんでは仕事にならないと、私はいつも通り受け流した。
「大丈夫か、碧?」
みんなが私たちを見ていると承知の上で、なお顔を寄せてくる影井。
その上私を名前で呼ぶから、周囲からはため息まで聞こえてくる。
「お願いだから、止めて」
さすがにいたたまれなくなった私は席を立った。