俺様同期の溺愛が誰にも止められない
「俺は家族でもないし、関係ないんだ。だから、そこをどけよ」
「しかし、ご友人ですよね?」
「知らないよ」

立ちはだかる私の肩を押して病院から出て行こうとする男性。
私は押されたはずみで数歩後ずさりして、
ドンッ。
何かにぶつかって止まった。

「大丈夫か?」

え?
この声は・・・

「お前は何だよっ」
男性は完全に怒りだしてしまった。

「私は救命科の影井です。彼女が言うように、ここは救急外来ですのでどなたか付き添いの方にいていただかないと困ります。それに、患者には不審な打撲痕が複数ありそれについてもお聞きしたいのでもうしばらくここにいてください」
「いや、俺は何も知らない」
顔色の変わった男性が再び歩き出そうとしたのに気づき、私は進路をふさいだ。

「ドケッ」
ドンッ。
「キャッ」
今度は思い切り突かれ、私は床に倒れ込む。

「碧」
「水野先生、どうした?」

慌てる素晴と、騒ぎを聞きつけて出てきた高杉先生やスタッフも現れて周囲に人垣ができた。
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