俺様同期の溺愛が誰にも止められない
その日、私は重たい気持ちのままマンションへと帰った。
そして玄関を開けた瞬間、
ん?
広くて超豪華部屋の中に漂うスパイスの匂い。
これは・・・

「素晴、カレーを作ったの?」

外出着のまま鞄も持ったままでキッチンへと駆け込むと、なぜかエプロンを付けた素晴がいた。

「おお。今日はカレーだ。それも」
ニタニタと笑いながら、素晴がカレーをすくって見せる。
「もしかして、サザエカレー?」
「正解」
「ヤッター」
私は思わず小さくジャンプした。

サザエカレーはふるさとの味。
小さいころから肉よりもサザエの方が身近にあって、よく母さんが作ってくれた。

「ちゃんと肝はバターで炒めたからコクがあって美味いぞ」
「すごーい」

それにしても、素晴はどこでサザエカレーの作り方を覚えたんだろう。
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