俺様同期の溺愛が誰にも止められない
円先生が病院にやって来てから変わったことがいくつかある。
1つは同世代の男性医師がやたらと円先生に話しかけるようになった。
もちろんそれは円先生の見た目だけでなく性格的にも社交的だってことに理由がある。
そして、もう一つは病棟休憩室のお菓子がやたらと増えた。
今までだったら誰かのお土産や業者さんからの差し入れくらいだったのに、気が付けばチョコやクッキー、おせんべいなどが置かれている。

「鈴木先生いつもありがとうございます。でも、そんなに気を使わないでください」
「いえ、実家の母が勝手に送ってくるんですよ」

申し訳なさそうに言う師長に、遠慮しないで食べてくださいと笑う円先生。
部下や年下の人には気さくで、目上の人にはさりげない配慮もできる彼女は、いつもスタッフの輪の中心にいる。
その様子を本当にできた人だと、私は感心して見ていた。
ただ・・・
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