俺様同期の溺愛が誰にも止められない
カンファレンスは予定通り1時間半で終了。
私も病棟へ戻ろうと腰を上げると、何人かの先生と話している素晴の姿が目に入った。
それぞれの科が治療を受け持つ患者も、ICUや救命病棟にいる間は救命科が担当医になる。
だからこそ救命医はオールラウンドでなければいけない。

「影井先生はどう思う?」
「そうですね・・・」

随分年上の先生からも意見を求められる素晴は、真剣な表情で応じている。
そしてその横には円先生が立っている。
これが最近のパターン。
いつもすぐ隣で楽しそうに話の輪の中にいる円先生に対して、素晴の方も嫌がる素振りをみせない。

「碧先生、病棟に戻るよ」

ボーっと素晴や円先生たち一団を見つめていた私を高杉先生が呼ぶ、これも最近のお約束。
しかし、今日は少しだけ様子が違った。
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