俺様同期の溺愛が誰にも止められない
1ヶ月後に夏休みを予定している私はいつも以上の当直をこなしている。
そもそもみんなが夏休みをとろうとすればおのずと周囲のへ負担は大きくなる。
医者が休むためには代診が必要だし、救急だって病棟だって24時間体制で休みはない。
当然その歪みは若手に回ってくる。

「残業や当直で休みが取れていないようだが、労働時間大丈夫なのか？」
「え、ええ」
ギリギリだけれど、何とかなっている。

‘「怪しいなあ。もし体調が悪くなったらすぐに言うんだぞ」
「はいはい」

自分でも無理をしている自覚はある。
最近では朝が起きられないし、食事も朝と夜だけの2回。それであまり空腹は感じない。
おそらく疲れが溜まっているのだろうが、若手の医者なんてそんなものだと諦めるしかない。
私はただ実家に帰省できることを楽しみに、激務をこなしていた。
< 145 / 198 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop