俺様同期の溺愛が誰にも止められない

「碧先生、顔色悪くありませんか？」
「そう？」

出勤してすぐに病棟スタッフに声をかけられ、近くの鏡で自分を顔を見た。
確かに、目の下にうっすらクマがある。
普段からあまりメイクをしないから、余計に目立つのかもしれないな。

「医者が倒れたなんてシャレにならないからね。用心してください」
「もう、高杉先生やめてください」

にこやかに言ってくれる高杉先生の言葉に笑えないのは、自分でも日々体調が崩れていくのがわかるから。
それでも9月には帰省をするという楽しみがあるし、どんなに疲れても家に帰れば素晴と一緒に過ごせるんだと思うとその日を頑張ることができた。
多少無理をしている自覚はあっても今自分が幸せだと思えていたから、平気な気がしていた。
そして、それが思い込みだってことに私は気付くことになる。