俺様同期の溺愛が誰にも止められない
日勤からの当直そして日勤と、思えば36時間以上を病院で過ごした夕方。
さすがにクタクタの私に病棟から受け持ち患者急変の連絡が入った。

「水野先生お願いします」
「はい」

病棟に駆け付け、緊急で処置をして検査や投薬の指示。
発見が早かったため大事に至ることはなかったが、しばらくは治療を継続し経過観察も必要になる。

「碧先生、後はこっちで見るから先生は帰ったら?昨日も当直だったでしょ?」
「大丈夫です。気になるのでもう少し経過を見させてください」

高杉先生は私を気遣ってくれるけれど自分の受け持ち患者を置いて帰る気にはなれず、そのまま病院に残ることにした。
この時の私は、仮眠室で少し横になればいいだろうと思っていた。
自分は元気だと過信があった。
しかし・・・
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