俺様同期の溺愛が誰にも止められない
ガタンッ。

患者の容態も安定しそろそろ仮眠でもとろうかと思った午後11時。
デスクで作業していた私は立ち上がろうとして、体がふらつき膝をついた。

「碧先生っ」

声をあげ駆け寄ってくるのが高杉先生だとわかっていても、私は動くことができずその場にうずくまった。
困ったな、眩暈がして目が開けられない。
さっきまで何ともなかったのに、今は立ち上がることもできない。

「とりあえず座るよ」

体を支えられながら椅子に座る。
それでも頭がグラグラして、デスクにっ突っ伏した。
きっと長時間勤務の疲れがでたんだから少し休めば回復するはずと、私は目を閉じた。

「もしもし・・・ああ、僕だ」

頭の上で電話をする高杉先生の声が聞こえたが、私は動くこともできなかった。
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