俺様同期の溺愛が誰にも止められない
次に目が覚めると私は横になっていて、見えるのは真っ白な天井と天井から吊り下げられたカーテン。
ベッドは自宅の物より硬めで、ベッドサイドには無機質なスチールデスクと丸椅子。
よく見ると私の腕は点滴に繋がっている。
そして、カーテンの向こうからは忙しそうに行き交る足音。
しばらく考えてから、ここが病院の救急外来だと気が付いた。

「碧先生、目が覚めました?」
カーテンの隙間から顔を覗かせくれたのは円先生。

「ごめんなさい、私・・・」
この状況から察するに、倒れて運ばれたってことだと思う。

「大丈夫ですか?」
「ええ、迷惑をかけてごめ」
「本当ですよ。碧先生はいつも上手に素晴の気を引いて、足を引っ張るんだから」

いつもみんなの前で見せる余所行きとは違う円先生の顔。
私は言い返すこともできず、黙ってしまった。

「お願いですからこれ以上仕事を増やさないでください」
「すみません」

こんな時、「私だって好きで倒れたんじゃない」と言えるような性格ならいいのになと思うけれど、私には無理。
それに、みんなに迷惑をかけたのは事実だ。

結局円先生は言いたいことだけ言って去って行き、その後素晴も駆け付けて私は一通り説教された。
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