俺様同期の溺愛が誰にも止められない
ガタン。ゴトン。
壁の向こうから聞こえてきた物音で、私は意識を取り戻した。

えっと、ここは・・・
ゆっくりと目を開けて見えてきたのは真っ白な天井。
カーテンが閉められているために部屋の中は薄暗く、今が昼なのか夜なのかはわからない。

「それにしても素敵な部屋ね」

きっとここは寝室なのだろうけれど、今私が眠っているダブルベットを入れてもかなりスペースに余裕があり、部屋の照明は全て間接照明。
今はサイドテーブル置かれたベットライトだけがこの部屋を照らしている。

ここは一体どこだろう。
しっかりと目を開けてから、次に気になったのは今の自分の状況。
まず、ここは見覚えのない場所。
見た感じホテルでもなさそうだし、おそらく誰かのお家なのだと思うけれど・・・
少なくとも優紀やその他数少ない女友達たちの部屋ではない。
それに・・・私の思い違いならいいけれど、この部屋の家主は男性の気がする。
もしそうなら、

ガチャ。
「お、やっと目が覚めたな」

いきなり入り口のドアが開き、入ってきた人物。
その人を見た瞬間、私は反射的に起き上った。
そして、
「あぁ、頭が痛い」
こめかみを締め付けつるような痛みと込み上げる吐き気に襲われ、
「こら、急に起き上るんじゃないよ」
駆け寄って来ってきた足音の後、躊躇うこともなく抱えられて再びベッドに戻された。
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