俺様同期の溺愛が誰にも止められない
「ねえ影井、私達・・・」
何かあったの?と聞きたいけれど、恐ろしくて聞けない。

もし関係を持ったなんて言われたら、私は明日から病院に勤める女子の半分以上を敵に回すことになる。そのくらい影井は女子に人気があるのだ。

「何、聞きたいことがあるなら言って」
「えっと、その・・・」
怖い、怖くて聞く勇気が出ない。

「誰が着替えさせたのかって聞きたいなら、俺だよ」
「うん」
そうだろうね。
ここには影井と私しかいないんだから。

「服も下着のドロドロだったから、そのままにしておくわけにはいかなくて着替えさせたんだ」
「そう、ありがとう」

本当はありがたくもないのだけれど、その状況ならしかたがなかったのだろう。
でも、ということは、ただ着替えさせただけってこと?
裸を見られただけでも十分恥ずかしいけれど、お互い医者である以上人間の裸なんて見慣れている。

「もしかして昨日のことを何も覚えてないのか?」

少しだけホッとした私に、影井が聞いてきた。

「えっ」
何かあったのかと、逆に聞きたい。

「あんなにかわいく俺にしがみついてきたのにな」
「えええ」
嘘でしょ、嘘だと言ってー。
私は今すぐこの場から消えてなくなりたい気持ちで、頭を抱え目を閉じた。
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