俺様同期の溺愛が誰にも止められない
「うぅーん」

人間とは、本当に矛盾した生き物だと思う。
あれだけ影井と二人きりは居心地が悪いと思っていたはずなのに、ホテルのレストランで出来立てのオムレツを食べた瞬間唸ってしまった。

「ここのオムレツはトリュフソースがかかっているから、美味いだろ？」
「うん、とっても美味しい」

わざわざこの朝食だけを食べに来たいって気持ちもよくわかる、そんな美味しさ。
もちろんずらりと並んだパンも全て焼き立てで、フレッシュジュースもフルーツも新鮮。
あまりの美味しさに、普段はあまりパンを食べない私がお替りしてしまった。

「和食がよければ、ご飯もあるぞ」
「ううん、これで十分」

子供の頃から離島で育ったせいか、食卓にパンがでることが多くなかった。
パン屋さんも島に２件ほどしかなかったし種類も限られていたから、自然と和食の方が好きになった。
だからかな、大阪に出てきてからもわざわざパンを買うことが少なかったように思う。

「お前は和食のイメージだよな」
「何よそれ」

きっと、いつも和食を食べていたからってことなんだろうけれど、田舎っぽいって意味だろうかと勘ぐるのは私の性格がひねくれているからだろうな。
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