俺様同期の溺愛が誰にも止められない
ブブブ。
メッセージが入ったらしい彼女が表情を曇らせてスマホを見ている。

「どうした？」
嫌な予感しかしないが、思わず声が出た。

「飯島先生からお礼のメッセージ」

結婚式の参列者にお礼のメッセージなんて律儀な飯島先輩らしいが、彼女にとっては少し酷だな。

「返事なんてしなくていいぞ」
「え、そんなあ・・・」

彼女は不満そうに声を上げたが、返信なんかすればこれからもことあるごとに連絡が来るかもしれない。
もちろん社交辞令で深い意味はないのだろうけれど、妻帯者になった飯島先輩と個人的なやり取りはしない方がいい。
特に彼女は飯島先輩が好きだったわけで、誤解を生むような行動は避けるに越したことはない。

「不倫はダメだぞ」
「な・・・なんで？」
口を開けたまま、彼女が固まっている。

「気が付いていないのは、飯島先輩本人くらいだ」

目立つことを苦手としどちらかというと大人しい彼女のことだから自分から飯島先生に告白なんてすることはなかったのだろうが、俺や親しい友人たちは彼女の気持ちに気が付いていた。
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