俺様同期の溺愛が誰にも止められない
不思議なことに、バイトの後で入った当直はとっても順調で急患もなく朝までしっかりと仮眠をとることができた。
その後の日勤も周囲から夜勤明けだからと気遣ってもらい、溜まっていた事務作業を片付けることもできた。
「あら碧、随分元気そうね」
午後から出勤してきた優紀が顔を覗き込む。
「おかげさまで」
ちゃんと眠れて体調もいいし、溜まっていた仕事が減って気分も最高。
文句を言うとすれば、影井の顔が頭から離れないことかな。
不必要に良い男だから余計に印象に残ってしまって、記憶から消えてくれない。
「王子様に抱えられて出て行ったから、どうなったのか心配したのよ」
「か、抱えられて・・・」
当時の記憶も断片的にはあるんだから理解はしているけれど、やはり赤面してしまう。
そして、あの場所には大勢の人がいたわけで、優紀と同じように目撃した人も少なくはないはずだ。
「それで、あの後どうなったの?」
「どうもしないわよ。ちゃんとタクシーで送ってもらいました」
私だって嘘はつきたくない。
でも、とっても楽しそうに聞いてくる優紀の後ろには聞き耳を立てている数人の看護師がいるのがわかっているから、そう答えるしかなかった。
「そう、ならいいけれど」
そこまで言って言葉を止めた優紀は、楽しそうな笑顔を引っ込めて私の耳元に口を寄せ、
「2人がホテルに現れたって話題になっているわよ、気を付けなさい」
私にだけ聞こえる小さな声で囁いた。
その後の日勤も周囲から夜勤明けだからと気遣ってもらい、溜まっていた事務作業を片付けることもできた。
「あら碧、随分元気そうね」
午後から出勤してきた優紀が顔を覗き込む。
「おかげさまで」
ちゃんと眠れて体調もいいし、溜まっていた仕事が減って気分も最高。
文句を言うとすれば、影井の顔が頭から離れないことかな。
不必要に良い男だから余計に印象に残ってしまって、記憶から消えてくれない。
「王子様に抱えられて出て行ったから、どうなったのか心配したのよ」
「か、抱えられて・・・」
当時の記憶も断片的にはあるんだから理解はしているけれど、やはり赤面してしまう。
そして、あの場所には大勢の人がいたわけで、優紀と同じように目撃した人も少なくはないはずだ。
「それで、あの後どうなったの?」
「どうもしないわよ。ちゃんとタクシーで送ってもらいました」
私だって嘘はつきたくない。
でも、とっても楽しそうに聞いてくる優紀の後ろには聞き耳を立てている数人の看護師がいるのがわかっているから、そう答えるしかなかった。
「そう、ならいいけれど」
そこまで言って言葉を止めた優紀は、楽しそうな笑顔を引っ込めて私の耳元に口を寄せ、
「2人がホテルに現れたって話題になっているわよ、気を付けなさい」
私にだけ聞こえる小さな声で囁いた。