俺様同期の溺愛が誰にも止められない
「じゃあもし、相手が影井でなかったとしても碧は一緒に暮らすことにした?」
「え?」

この時、私は即答できなかった。
元々影井のことは苦手だったし、どちらかというと避けたい存在だった。
でも・・・

「住むところがないなら家においでって内科部長が言っても碧は素直にうなずいた?」
「それは・・・」

もうすぐ40歳の部長とは年齢も違うからとか、独身とはいえ女性との噂が絶えないプレイボーイだからとか、理由は色々あるけれどきっと私は断ったと思う。

「碧は相手が影井だから一緒に住もうと思ったってことでしょ?」
「うーん・・・」

住む所をなくした私は本当に困っていた。
影井は意地悪だけれど悪い人間ではないし、何年も前から知っているから素性も確か。
だからと言って、自分から影井との同居を望んだわけではない。

「まあ、バレないように気を付けることね」
「うん、そうする」

やはり早いうちに引っ越し先を探そうと決心した時、私と優紀の間に椅子が滑り込んできた。
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