俺様同期の溺愛が誰にも止められない
病院関係者を含めオシャレなスーツで出席している人が多いパーティー会場でも、明らかにオーダーとわかるブラックスーツを着た影井素晴はかなり目立っている。
もちろんそれは着ている物がっていうだけでは無くて、彼の容姿による部分がかなり大きい。
身長は180センチ超え。
学生時代からサーフィンを趣味にしていて、肌は小麦色で細身だけれど筋肉の付いたいい体。目は二重で彫りが深く、どちらかというとワイルドな顔立ち。
運動神経もいいし、頭も良くて成績も抜群。
大学卒業時の成績もトップで、卒業生代表として立派な挨拶をした。

「影井先生、お隣いいですか?」
ちょうど私と影井の会話が止まったタイミングで、出席していた新婦の友人たちから声がかかった。

学生時代から、影井はモテていた。
彼が告白されている場面を見たことだって一度や二度ではない。
そんなに遊んでいた印象はないけれど取り巻きは常に多かったし、いつも綺麗な女子たちに囲まれていた気がする。

「悪いけれど、水野先生と話があるんだ」

え?
私は反射的に影井を見た。

「そうですか・・・」
残念そうに去っていく女子たち。

「私は話なんてないわ」
「わかっているよ」
返事をするとグラスを手に席を立ち、影井は友人たちの輪の中に消えていった。

あーあ、また女子除けに使われてしまったらしい。
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