俺様同期の溺愛が誰にも止められない

「ずいぶん楽しそうな話だね」
なんだか面白そうに声をかけてきた男性。

えっと、この人誰だっけ。
細身で見た感じ背も高そう。
銀縁のメガネが似合うインテリ風な風貌。
ああ、そうだ。
今週から異動でやってきた飯島先生の代わりのドクターだ。
飯島先生とは同い年って聞いたけれど、もう少し若そうにも見える。
それにしても、人の話に入ってくるなんて馴れ馴れしい人ね。

「ああ、僕は今週から勤務している循環器科の高杉です」

どうもと頭を下げる姿はやはり砕けた印象。
こういう距離感の近い人って、苦手だな。
私は内心そう思っていた。

「高杉先生、女子の会話に勝手に入らないでください。これもある種のハラスメントですよ」
「そうか、今どきは何でもハラスメントだね」

どうやらすでに顔合わせを済ませていたらしい優紀が文句を言うけれど、高杉先生の方気にする様子もなく私と優紀の間に陣取ってしまった。
すごいなあ。
こういう風にすっと人との距離を地締められる人って尊敬するわ。